2013年2月3日日曜日

2月1日:周術期の心停止

今日の勉強会はレジデントY先生の抄読、アメリカにおける周術期心停止の発症についてしらべた論文。
Intraoperative cardiac arrests in adults undergoing noncardiac surgery: incidence, risk factors, and survival outcome. Anesthesiology. 2012 PMID: 23042223.
周術期の心停止は1万件に7件、術中の輸血量やASA PSが増加すると心停止の頻度は上がる。オッズ比などについて丁寧に説明してくれた印象。
ちなみに日本でも同様の調査は行われていて、その頻度は1万件に6.6件とアメリカと似たような結果になっている。日本の調査について興味を引くことは病床数200以下の病院では心停止の発症頻度はかわらないものの、心停止発症後の死亡率が著しく高いことが上げられる。

先週はブルガダ型心電図を持つ方の腹部手術があった。ブルガダ症候群と診断されるようなエピソードはなく、基本的には予後良好な病型だったが、忌避すべき薬剤、とくに1群抗不整脈薬に含まれる局所麻酔薬が麻酔上の問題となった。
リドカインによる局所麻酔は許容できるとする文献が多いが、その根拠として、1) リドカインが属する1b群は1aまたは1cより安全とする説、2) 局所浸潤麻酔ならば、特にエピネフリンを添加すれば血中濃度の上昇は少なくだから安全とする説、が提示されていて混乱する。2011年にはリドカインの使用で心電図変化をきたしたブルガダ型心電図の症例が報告されている
腹部手術なので硬膜外から局所麻酔薬を投与したいが、硬膜外投与後の血中濃度の上昇は局所浸潤の比ではなく高いから、2)の説にのっとれば高濃度、大量投与は避けるべきだろう。ブピバカインは硬膜外でも心電図変化をきたした症例が報告されている。
結局、エピネフリン添加の0.5%リドカインを硬膜外に投与し手術は無事終了、術後24時間も胸部誘導をモニターしたが、心電図変化は認めなかった。術後はPCAを接続し、持続投与は行わずpush onlyとしたが、翌日の安静時NRS=0、体動時=5だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿