2013年3月1日金曜日

3月1日:麻酔回路を書いてみた

今日は集中治療医学会で、麻酔科医の半分以上は出張している。そんなわけでミーティングは抄読なし。かわりに僕が話をしました。
先日、「麻酔研修の素朴な疑問に答えます」 という本を研修医が読んでいるのを見た。いろんな質問がのっているのだが、「麻酔中の酸素流量はどこまで下げてよいのですか?」という疑問に目がとまった。本には「分時酸素摂取量がどれくらいか把握し、それ以上の酸素を投与しないといけない」ということが書いてあるのだが、その研修医は「?」というレスポンスであった。麻酔回路を理解していないのではないかと思い、みんなで麻酔回路を書いてみようと企画した。百聞は一見にしかず
 Aくんの作品。「いらんやつ」は余剰ガスのことである。炭酸ガス吸収装置は余剰ガス排気のすぐ上にある横線だ。酸素と空気とセボフルランを「新鮮ガス」として一括投与している。今回書いてもらった人たちの中で唯一の正解。

ぶっつけで書いてもらったが、全員が麻酔回路は循環式であることを理解している。それだけでも感動。
 Bくん。余剰ガスを排気するまでにソーダライムと呼気ガスを反応させている。ちょっともったいない。
 Cさん。だいぶがんばったが、酸素と空気とセボフルランを別々に麻酔回路に投与している。濃度調整が大変ではないか。
研修医の作品には弁がない。弁の不具合と再呼吸のリスクについては、今回話す機会がなかった。


特別参加、レジデントMくん。呼気弁と吸気弁を書くところはさすが!だが、彼も酸素とセボフルランを独立して投与している。閉鎖循環回路では、平衡に達すれば、リークで漏れ出る以外セボフルラン濃度は低下しない。追加投与は新鮮ガスに対して補えばよいはず。

この後、吸気中の酸素濃度と呼気中の酸素濃度の差に分時換気量をかけるとおおよその酸素消費量がわかるよ、という話をして、それが理論値250ml、今回の計算ではおよそ350mlで、計算値が大きいのはリークがあるからですね、という結論になった。素朴な疑問の答えはそのあたりに落ち着きそうだったが、レジデントM君が、コンパウンドAはいいのか、と発言、セボフルランと炭酸ガス吸収装置との化学反応の話をして勉強会は終了した。
 素朴な質問本、よいです。

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