2013年8月19日月曜日

8月16日:右用ダブルルーメンチューブ

先週は夏休みで更新しませんでした。
勉強会はレジデントF先生のミニ講義、右用ダブルルーメンチューブ(DLT)について。
右用DLTは左用よりも手間がかかる。右上葉枝までの距離が短いからだ。チューブを浅くすると気管枝用カフが気管内に飛び出して危険だし、深くすると上葉枝がチューブで閉塞する。
最近、右用DLTを入れるチャンスが何回かあり、いずれも満足できるポジションは得られなかった。これはチューブの深さの問題ではなく、どうやら上葉枝分岐部までの距離の問題かもしれないということに気がついて調べてもらったのが今回の勉強会のテーマ。

Margin of safety in positioning modern double-lumen endotracheal tubes. Anesthesiology. 1987 PMID: 3674473.
このテーマではもっとも有名な論文。左右の主気管枝長は男性で49mmと19mm、女性では44mmと15mm。チューブの上下のずれに関する安全域は左用なら16-19mm、右用はマリンクロットで8mm、Ruschで1-4mm。右用は安全域がものすごく狭い。

この結果からは、どのような患者で右用DLTは留置不能かわからない。この疑問を部分的に解決したのがこれ

The distance between the carina and the distal margin of the right upper lobe orifice measured by computerised tomography as a guide to right-sided double-lumen endobronchial tube use. Anaesthesia. 2013PMID: 23656604.
CTを再構成して上葉枝までの距離をはかり、その値が23mm以内では留置の不具合がふえるというデーター。23mmというのはマリンクロット社のブロンコキャスで気管枝カフから側孔までの距離。23mm以内の患者ではブロンコファイバーの回数が多かったり、上葉枝の閉塞がおこったりいろいろしている。

我々はポーテックスを使っているが、その形状を眺めるとマリンクロットよりも不利そうである。ポーテックスで同様の数字を出して、マリンクロット、ポーテックスそれぞれのチューブで、どれほどの割合の患者で右用DLTが留置不能か調べてみたいなと思う。

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