2014年1月21日火曜日

1月21日:エスラックスの初期投与量と効果発現時間

今日の勉強会はTM先生の担当、Rapid sequence inductionを行うときの筋弛緩薬の選択と投与量による筋弛緩発現時間の違いについて調べた論文の抄読。
Comparison of rocuronium, succinylcholine, and vecuronium for rapid-sequence induction of anesthesia in adult patients. Anesthesiology. 1993  PMID: 7902034
エスラックス0.6/0.9/1.2 mg/Kgとベクロニウム1.0mg/Kgとサクシニルコリンを比較。TOFでモニターした筋弛緩薬発現時間はサクシニルコリン50秒に対してロクロニウム0.6では89秒、0.9では75秒、1.2では55秒。ベクロニウムでは144秒。効果持続時間はロクロニウム1.2で73分ととても長くなっている。
この論文では、ベクロニウムはRSIには不向き、ロクロニウムなら0.9または1.2がサクシニルコリンと同等という結果がでている。もっとも、最近発表されたコクランレビューではRSIに用いる筋弛緩薬としてエスラックスがサクシニルコリンよりも勝るポイントはなく、エスラックスを用いる場合は1.2mg/Kg投与しないとサクシニルコリンと同等の結果は得られないという結果が得られているようだ。
Rocuronium versus succinylcholine for rapid sequence induction intubation. Cochrane Database Syst Rev. 2008  PMID: 18425883.
ちなみにこのレビューはスガマデックスが発売される前のもの。エスラックス1.2mg/Kgとスガマデックス16mg/Kgの組み合わせがサクシニルコリンと同等の早さで筋弛緩効果を失わせることができるという論文があったように思う。

挿管操作時の筋弛緩効果を主観的に判定した結果は、すべての群で大きなかわりはない。効果を4段階で評価しているがこれが粗すぎるのだろうか。臨床的には筋弛緩なしで挿管することはありえるのでこのような評価方法では違いはないのかもしれない。ただし、挿管に伴う気道損傷は筋弛緩を用いた挿管で頻度が少ないので、せっかく筋弛緩薬を入れたなら効果が得られた段階で挿管操作に入った方がよいだろう。

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